お茶の豆知識
お茶について・・・(お茶の木は・・・お茶の歴史と逸話)
お茶の種類と成分(お茶の種類と作り方お茶の成分)
お茶の飲み方(お茶のいれ方もっとおいしく飲むために・・・)
お茶って身体にいいの???
急須で入れたお茶とペットボトル茶の効能の違い(2002年6月13日付の中日新聞の掲載による)
お茶の故事・ことわざ紹介
お茶とお茶受け

お茶について・・・
 お茶の発祥地は中国雲南省と言われており、製法の違いにより発酵茶、半発酵茶と不発酵茶の大きく3つに分けられます。
 発酵茶としては紅茶が有名です。半発酵茶はウーロン茶やプーアル茶などがあげられます。緑茶は不発酵茶で、玉露、煎茶、抹茶、番茶などがあります。
 ちなみに北海道近辺では飲用のお茶は育たないので、栽培もほとんど行われていないようです。
お茶の木は・・・
◎学名は
「カメリア・シネンシス」(Camellia sinensis(L)O.Kuntze)といいます。ツバキ科ツバキ属のチャで、常緑の低木です。
◎発祥地は中国南西部からインドのアッサム地方にかかる山地であろうといわれています。・・・が、考古学的な証拠がないため明らかではありません。
◎今ではアジア・アフリカ・南米などお茶の木の生育に適した多くの国で栽培されるようになり、数千年の歴史を持っている事は確かのようです。

◎日本にはいつ誰によって伝えられたのか?それとも、元々日本に自生のお茶の木があったのか、これもまだ確かな結論は出ていません。(下記に歴史上通説(?)になっている内容をご紹介しています)
 稲作や仏教などの大陸文化とともに日本に伝来し、お茶づくりに適した環境の地が多くのお茶の産地になったのでは・・・と言われています。
◎世界には現在、何百種類というお茶がありますが、お茶の木はもともとは一種類で、何千年という歴史の中でさまざまな品種、変種が生まれ、お茶の製法が改良されたと言われています。
◎栽培されているお茶は日本では、葉が小さくて低木、寒さに強い中国小葉種が多いです。
 現在お茶の木の種類は一般的に、中国小葉種、中国大葉種、シャン種、アッサム種などです。品種的には紅茶に適したアッサム種と緑茶などに適した中国種に別けられます。
◎本来のお茶の木は普通の低木とはいえ大きく広がって育ちます。でも葉を摘むのが大変なので、茶葉を効率よく摘むためにかまぼこ型に苅られています。
◎お茶の木の寿命は約150〜200年と言われますが、新鮮なおいしい茶葉を摘むために、日本の茶畑のお茶の木は、だいたい20〜30年を目安に植え替えられています。

お茶の歴史と逸話
◎日本にお茶が伝わる前(?)の中国では
 中国5千年の歴史といいますが、その昔・中国も神話の時代、紀元前2700年頃(約4700年位前)(日本はまだ縄文時代)の神話では、
神農帝が人々のために、山野を巡り、野草、樹木、鉱物まで食べて、それが食べ物や薬になるか、一日に72もの毒にあたりながら調べ、毒にあたる度に茶の葉を用いて解毒したという話があり、お茶は元々、薬として飲まれていたのがわかります。
 さらには、中国の唐の時代(日本では奈良時代の終わり〜平安時代初め)
玄宗皇帝楊貴妃とのロマンで知られる時代に、陸羽という人が記した世界最古といわれているお茶の書茶経という書物には、お茶は最初薬として飲まれていたことを記しているところがあるそうです。

◎日本では
 お茶自体は太古の時代に伝えられていたと言われています。が、記録としては、奈良時代に「行茶の儀」が行われていたと記され、それが日本のお茶の始まりだとも言われています。


◎平安時代

 中国・唐へ渡った僧の
最澄空海が茶種を持ち帰り、最澄は比叡山の麓、近江・信楽(朝宮茶の元祖)に、空海は大和・宇陀郡仏隆寺(大和茶の元祖)などにも、種を植えたと伝えられています。
◎鎌倉時代
 日本にお茶を広めた
栄西禅師喫茶養生記の中で、「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり」と書き記しています。お茶の効能について記した最古の記述は、鎌倉時代の記録書として有名な吾妻鏡の建保2年2月の条に「将軍実朝が宿酔(二日酔い)の際、栄西禅師から茶とともにこの書(喫茶養生記)を献ぜられ、喫したところたちまち治癒された」とあるのが今の所、お茶の効能を記したものとしては最古と言われています。栄西禅師が抹茶の製法を種とともに持ち帰り、明恵上人などに分け与え、高山寺で育てられた木が京都・栂尾に植えられ、各地に広まっていきます。
◎室町時代
 宇治のお茶が足利幕府からの奨励を受けます。室町幕府の
足利義満は、宇治七茗園と呼ばれる茶園を宇治の里に設けています。さらに足利義政は、茶事を盛んに行っていたことは有名です。
◎安土桃山時代
 戦国大名でかの有名な、
織田信長豊臣秀吉も戦乱の間にもお茶を愛しています。特に豊臣秀吉は、お茶に関する逸話も多く、関ヶ原の合戦で有名な石田三成との出会いの話は有名です。
 
→→→ある日、秀吉が狩りの帰り、とあるお寺に立ち寄り、お茶をほしがりました。
その時お茶を差し出した小姓は、ぬるく薄めのお茶を大きめのお茶碗に八分目ほど(かなりたっぷりめ)出しました。のどを潤した秀吉は一息ついて、さらにもう1杯とほしがりました。
今度は少し熱めの、先程よりも少し濃いめのお茶を普通のお茶碗に半分ほど出しました。
この小姓の気遣いに感心した秀吉はさらにもう一杯とほしがりました。
今度は熱く濃いお茶を小さな湯飲みに少し出しました。
最初はのどが乾いているだろうから火傷しないで、ゴクゴク飲めるようにぬるく、胃にもやさしく薄めのものをたっぷりと・・・。
ニ杯目は一息ついて少し落ち着いたところで、熱めで少し濃いめに・・・。
三杯目となる最後はゆっくりお茶を味わえるように熱く濃いのを少量・・・と言う意味です。
この時の小姓が石田佐吉、のちの三成だったとい伝えられています。この才知に感心した秀吉は、自分の家臣として雇います。
 →→→この話には続きがあって、晩年になった秀吉が、京都の浄土院というお寺に突然立ち寄り、お茶をほしがりました。このお寺の人々は大変困りました。
目の前にいる人物は千利休にお茶を学んだ、時の権力者・太閤秀吉だったからです。
しかも上記の石田三成の話はすでに有名です。
真似をしても、違う出し方をしてもお茶を出せば、小言を受けるか、笑いものにされるのが目に見えており、考えたお寺側は白湯を出します。
秀吉のほうは、茶を所望したのに湯を持ってくるとは・・・と、もう一度「茶を所望したい」と言いだしました。
困り果てたお寺側は、今度も白湯を差し出しました。
二度にわたる白湯に対して秀吉は、大笑いして「茶を所望したのに、白湯ばかりたくさん飲ませたな。
この寺では茶はくれないらしい」と言って「これからは『湯だくさん茶くれん寺』と名乗れ」と言って立ち去りました。
以来、このお寺は「湯だくさん茶くれん寺」と呼ばれるようになりました。(湯だくさん茶くれん寺 浄土宗金戒光明寺派 浄土院さんに残る逸話)
他にも、豊臣秀吉は、醍醐の花見や北野の大茶会も有名です。
◎江戸時代
 
徳川家康もお茶好きです。1603年に江戸に幕府を開き、晩年は駿府(静岡)に隠居。茶湯を楽しみ、安倍奥の大日峠というところにお茶壷屋敷を設け、名器の茶壷に安倍茶を詰めて納めさせたということです。
さらに、徳川歴代の将軍も、お茶を奨励していて、将軍が飲むお茶を江戸に運ぶ道中は「お茶つぼ道中」と言って♪ずいずいずっころばしごま味噌ずい 茶つぼに追われてどっぴんしゃん 抜けたらどんどこしょ・・・♪と歌われていて、沿道の人々は、大名行列でさえも道を譲らなければならなかったそうです。
 江戸時代はお茶の生産が大きく進展した時代で、煎茶や玉露が初めて作られた時代でもあります。それまではお茶といえば抹茶のことで、庶民は抹茶を作ったあとに残ったお茶の葉や、茎をそのまま干した、日乾番茶(現在の番茶の元祖)などを飲んでいたといわれています。
それが、江戸時代の末期に、京都・宇治の
永谷宋円という人が中国茶の製法である「揉捻(じゅうねん)」による製法を取り入れ、さらに工夫を重ね、緑茶製法の主流である「煎茶」の製法(お茶の葉を蒸して、手揉みをして、干す製法)を考案し、これが現在の煎茶の始まりといわれ「手もみ製法」と呼ばれるものです。一般庶民が今のようなお茶を楽しめるようになったのはこのときからです。
 お茶の製法は日本各地に様々な方法があったようですが、早くから蒸製の碾茶(抹茶の原料)を作っていた京都では、16世紀には覆い栽培を行っていて、そのことから上級煎茶や玉露の製法技術へ発展し、その後、玉露が
山本嘉兵衛さんによって創製されます。

簡単な注釈
神農帝
・・・漢方薬の基礎を作ったといわれている中国の神話の神様(体は人間で牛の頭)。(この「神農帝」は日本大阪道修町に薬の神様として祭られている少名彦神社の「神農さん」のことなんだそうです)
玄宗皇帝楊貴妃・・・玄宗皇帝は中国の唐・第6代の皇帝で、玄宗皇帝の即位当時の名君振りは高名だったが、晩年にあって楊貴妃を向かえ、堕落した為、政治は荒廃し、悲劇の最後を迎えます。
陸羽(りくう)・・・著名茶学家。茶神、茶聖、茶王、茶仙、茶祖と色々呼ばれます。茶学家としてだけではなく詩人、書道家、史学家、地学家と文学家でもあります。
茶経・・・760年頃の陸羽の著と言われ、お茶のバイブルと言われている。
最澄・・・平安時代初期の僧。日本の天台宗の開祖。別名・伝教大師。
空海・・・平安時代初期の僧。日本真言密教・真言宗の開祖。別名・弘法大師。
栄西禅師・・・鎌倉時代初期の僧。日本臨済宗の開祖。別名・千光法師。
喫茶養生記・・・承元5年(1211)に著し、お茶の薬効から栽培適地、製法などが細かく記されています。
吾妻鏡・・・鎌倉時代に成立した歴史書。治承4年(1180)4月の頼朝挙兵から、文永3年(1266)7月の前将軍宗尊親王の帰京までの87年間にわたる鎌倉幕府の事を記録してあります・東鑑とも書くそうです。
実朝・・・鎌倉幕府・第3代将軍。定家に学び「金槐和歌集」を編纂したことでも有名。
明恵上人・・・鎌倉時代の初期の僧。高山寺の開祖。宇治のお茶の伝道者として知られる。
足利義満・・・室町幕府・第3代将軍・金閣寺を建てたことでも有名。
足利義政・・・室町幕府・第8代将軍・銀閣寺を建てたことでも有名。
織田信長・・・尾張清洲城主。天下統一事業を進める。1582年本能寺で家臣明智光秀の謀反にあい、自刃。
豊臣秀吉・・・織田五大軍団長の一人。本能寺の変の後、明智光秀を討ち、主導権を握り、天下統一を完成させた。1598年伏見で死去。
石田光成・・・豊臣五奉行の一人。秀吉没後、徳川家康と対立し、関ヶ原の合戦で敗戦、捕らえられ処刑。
徳川家康・・・駿遠三三州を領し織田信長と同盟、信長の死後、豊臣秀吉に臣従。秀吉死後、征夷大将軍になり、江戸に幕府を開く。豊臣氏を滅ぼして、翌年死去。
永谷宋円・・・江戸時代終期の茶家・日本緑茶の祖とも言われています。(ちなみにこの宗円(本名:宗七郎)さんが、創業したのが「永谷園」さんだそうです)
山本嘉兵衛・・・宗円さんと組んで江戸で煎茶を売り出した方で「山本山」さんの創始者なんだそうで、玉露の創製者でもあります。

お茶の種類と成分
 お茶というと日本茶、中国茶、紅茶の3種類が特に多く愛飲されてますが、実はこの3種はツバキ科に属する同じ品種の樹の葉からつくられていて、製造過程で発酵させるかさせないか、またはどのくらい発酵させるのかで違うのです。
 ???発酵って??? お茶の葉の中には多くの酵素が含まれていて、摘み取ったままにしておくと自然に発酵して茶色に変わってきます。これがお茶の発酵です。
◎中国茶(半発酵)
 半発酵の状態で加熱して発酵をとめたもの、もしくは後から発酵させたもの。茶葉の色も、いれた時のお茶の色も濃いめ。緑茶より苦みや渋みが薄い。主に烏龍茶・包種茶・プーアル茶など。
◎紅茶(完全発酵)
 完全発酵させたもの。茶葉の色は、濃い褐色。淹れると赤〜橙色で香りが良く、渋み、コク、若千の甘み、苦みが特徴。ダージリン、ウバ、キーマンは特に有名。ギャバロン茶も完全発酵茶の一種。
◎緑茶(不発酵[乾燥のみ])
 加熱処理で酸化酵素の活性とめて、発酵させないで乾燥させたもの。茶葉本来の緑色が残り、いれた時のお茶の水色も緑っぽい。若葉の爽やかな香りが残り、苦みや渋みの中に甘みと旨みがある。

お茶の種類と作り方
◎煎茶…緑茶の風味たっぷりのお茶で、お茶の甘味、旨みのバランスがよく、薫り高く人気です。
 お茶の新芽を蒸し、丁寧に揉み、乾燥させて作ります。後半の工程で針状にします。
◎玉露…まろやかで濃厚な甘さとコクが味わえます。高級品として有名です。
 新芽に覆いをかけ、直射日光を避けて育てた茶葉を、煎茶とほぼ同じ工程で作りますが針状に整形しないので、丸みを帯びた形です。
◎抹茶…上品な甘さとコクがあり、極めて高価。茶道には欠かせません。
 玉露と同じように日光を避けて育てた新芽を蒸した後、揉まずに乾燥し葉脈を取除いて挽き、粉にします。茶葉(粉)を丸ごと飲むことができ、栄養満点です。
◎番茶…庶民的で、渋みが少なくさっぱりとした味で、栄養的な成分も優れています。(といっても、地方によって製茶法が異なります。)当店のある岡山県の番茶は一般に『美作番茶』といって湯冷ましで薄めた番茶は赤ちゃんにも飲ませてきました。
 岡山県の田舎番茶は大きめの茶葉を乾燥させると『生番茶』、さらに火入れ加工をすると『焙じ番茶』になります。
◎ほうじ茶…とても香ばしくさっぱりとした味で、食後のお茶として広く好まれています。
 大型の下級煎茶や番茶を火で炒って作ります。色が茶色っぽいのも特徴です。
◎くき茶(棒茶)…まろやかな風味と独特の香りがあり、玉露のくき茶は「雁ヶ音(かりがね)」と呼びます。さらに 抹茶を配合したものが「白折」です。茶の仕上げ工程で選別された新芽の茎に、緑茶を配合して作ります。木質化した茎を含むものは棒茶とも呼ばれています。
◎玄米茶…玄米独特の香ばしさがお茶と調和してカジュアルな味を醸し出しています。お子様にも大人気!
 玄米を炊いて炒り、煎茶や番茶とブレンドして作ります。
◎グリ茶…若芽の甘さと、柔らかな風味と、独特の香ばしい風味が特徴です。
 蒸気で蒸す代わりに、緑茶を釜に入れ、焙じながら仕上げます。
その他、昆布茶・ほうじ茶なども販売していますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

お茶の成分
 お茶の成分の割合は、炭水化物(食物繊維含む)45.8%・たんぱく質24%・茶カテキン13%・ミネラル5.4%・カフェイン2.3%・その他(糖質,水分,ビタミンなど)9.5%位の割合です。

・水溶性成分
◎カテキン類(渋み成分)…発ガン抑制、コレステロール低下、血圧,血糖値上昇の抑制、抗菌、虫歯予防
◎フラボノイド…口臭予防、血管壁強化
◎カフェイン…疲労回復、眠気覚まし
◎ビタミンC…風邪の予防、ストレス解消、シミ,ソバカスの抑制
◎ビタミンB2…口角炎予防
◎テアニン(旨み成分)…血圧降下、脳,神経機能調節
◎γ-アミノ酪酸…血圧降下、脳卒中や動脈硬化の予防
◎サポニン…抗菌、喘息緩和、血圧降下
◎ミネラル…虫歯予防(フッ素)、ガン予防(亜鉛,マンガン,銅など)
・不溶性成分
◎食物繊維…便秘防止、心臓病予防(β-カロチン)、ガン予防、免疫機能増進
◎ビタミンE…老化抑制、ガン予防、免疫機能増進
◎クロロフィル…消臭、抗菌

お茶の飲み方
 お茶をおいしく淹れるには茶葉をたっぷり多めにお使いください。お湯の温度と待ち時間が味を左右します。

◎お茶を選ぶ
 お茶の葉の良し悪しを選び分けるだけではなく、飲む目的やタイミング、お客様にお出しする時はお客様の好み、TPOに合わせてお茶を選ぶことも大切です。たっぷりと熱湯を使って薫りを愉しみたい時には煎茶やほうじ茶や玄米茶。時間にゆとりがあり、本格的にお茶を味わいたい時には玉露や抹茶などのかぶせ茶(日光を避けて育てたお茶)がおすすめです。とにかくお茶をいれるのは難しいとおっしゃる方は、抹茶入りの緑茶(白折・抹茶入玄米茶など)がおすすめです。
◎茶器を変える
 お茶の種類によって、TPOに合わせてなど、茶器を使い分けることも大切です。玉露は小ぶりの急須と湯呑み茶碗を、煎茶はやや小ぶりの器で、茶漉しの目が細かい網目になっているものがおすすめです。玄米茶やほうじ茶は大き目の急須などを用い、熱湯で淹れるお茶には、手に熱さが伝わりにくい厚手の湯呑み茶碗がおすすめです。

お茶のいれ方
◎基本的な煎茶のいれ方[約4杯分](まずは一番人気のコレ!!!)
◎白折・かりがね(くき茶)なども煎茶の入れ方でお試し下さい。
 1.お湯飲みにお湯を八分目ほど入れます。
 2.お茶の葉を小さじ山盛り4杯(約8g)を急須に入れます。
 3.お湯飲みが、手のひらで持てるようになったらお湯を急須に注ぎます。
 4.お茶の葉が開いてきたら飲み頃です。
 5.お湯飲みに、均等な濃さになるよう少しづつ注いでいき、最後の一滴まで注いでしまいます。
◎玉露のいれ方[約4杯分](とろりと上品な味を本格的に!!!)
 分量…お茶の葉/大さじ3杯(約15g)、お湯の量/約80ml
 お湯の温度/65〜75℃
 煎出時間/2分〜2分30秒
◎番茶のいれ方[4〜5杯分](普段はコレがお手軽です!!!)
 分量…お茶の葉/指三本で一つまみ(約9〜10g)、お湯の量/約1L
 お湯の温度/熱湯(やかんに沸かし、沸騰したら茶葉を入れて出来上がり)
 煎出時間/30秒くらい
◎冷茶のいれ方(夏におすすめ!!!)
 分量…お茶の葉/水出し用緑茶ティーパック1袋(10g入り)、水の量/約1L
 水の温度/常温
 煎出時間/10分〜15分
 最後にティーパックを絞って濃い目に抽出、絞った後はティーパックは取り除きます。
◎抹茶のいれ方(点て方)[1椀分](おいしい抹茶をお家でも!!!)
 1.お湯を沸騰させ、冷まし(80℃くらい)ます。
 2.お茶の粉をふるいにかけます(冷蔵庫に保存してください)。
 3.お茶の粉を茶杓1杯半から2杯(約1.5〜2g小さじ1杯くらい)を茶椀に入れます。
 4.お湯の量は50ccくらいが目安ですが、好みや、お茶菓子に合わせて濃い薄いを調節します。
 5.茶筅は垂直に持って、底に茶筅の先をあて、縦に振り(混ぜ)ます。よく混ざってきたら今度はお茶の表面を泡立てて、丸く円を描いて泡を整えて真ん中から茶筅を離します。
抹茶豆知識
 茶道のほか、和菓子、洋菓子、かき氷、アイスクリーム、チョコレート、料理の素材・味付けなどにもオススメです。
 茶道では、黒味を帯びた濃緑色の濃茶(こいちゃ)と鮮やかな青緑色の薄茶(うすちゃ)があります。
濃茶は茶杓に山もり3杯を一人分として、たっぷりの抹茶に少量の湯を注ぎ、ポタージュスープなどよりゆるい程度で、とろりといれます(”練る”と言います)
薄茶(上記のいれ方)は茶杓1杯半を一人分として、多目の湯で入れる。茶筅で撹拌する際に、流派によって泡の立て方が異なりますが・・・。千家においては、表千家はうっすらと泡が立つ程度、裏千家はたっぷりと。立てる泡がもっとも少ないのが武者小路千家のようです。
なお、抹茶の種類は一種類で、いれ方に違いがあるだけです。
甘みがより強く、渋み・苦味のより少ないものが高価です。一般的に濃茶には高級なものが使われます。もちろん薄茶に用いてもよいですが、好みで、あっさりとした方がお好きなら、高級なものにこだわらず、お好みの味のもの、お料理などご利用法に合わせて選ぶのもオススメです。

もっとおいしく飲むために・・・
◎宵越しのお茶は飲まない
 お茶に含まれているタンニンは、時間とともに酸化が進んでいます。また、急須の中のお茶の葉にはたんぱく質、糖分、脂質類などが残っており、カビ類や、微生物発生の原因にもなります。お茶は飲むときに入れるのが一番です(下記の「お茶の故事・ことわざ紹介」の中にも紹介しています)
◎空腹時のお茶は薄めに・・・
 喉が渇いているときにお茶を飲むのはとてもおいしいです。・・・が、空腹時には濃いお茶を飲むと、胃を刺激することにもなります。そんなときは、まろやかな番茶や、ほうじ茶がおすすめです。(「お茶の歴史と逸話」部分の豊臣秀吉と石田三成の話にも似たような話が出てきます)
◎お茶と薬の相性はイマイチ・・・
 お茶にはタンニンやカフェインなどが含まれており、薬の成分によっては化学反応を起してしまいます。そうなると、薬の作用が過剰になったり、抑制されたりしてしまいます。薬はお水かお湯でどうぞ。
◎寝る前のお茶は・・・
 お茶に含まれているカフェインは、大脳を興奮させます。飲んでから数時間その作用が続くので、寝る前にお茶を飲むと寝つきが悪くなってしまうのです。ただし、個人差もありますからぐっすり眠れる方もらっしゃいますし、お茶の種類によってはカフェインがほとんど含まれないものなどもあります。
◎お茶の良し悪し
 お茶の良し悪しは、茶葉の外観(形・色)、香り、淹れたときの色、味の4つで決まります。外観で判断する場合は、煎茶ならば色鮮やかな深緑で、つやのあるもの、玉露ならよりが強く細かいものが上質です。
◎お茶の保存方法
 お茶は良く売れている店で、少しづつ買い足すのが一番です!!!・・・が、まとめて買ったときは缶に入れてラップなどで密封し、冷蔵庫で保管します。冷蔵庫から出して使う時には、結露による湿気に気をつけましょう。(お茶はなかなかデリケートなんです)
◎古くなってしまった緑茶は・・・
 古くなった緑茶は、広いお皿に薄く広げてラップをかけないで電子レンジでチン(約1分加熱)。すると・・・あっという間に香ばしいほうじ茶に!!!(フライパンにいれ、弱火で10分くらい焦がさないように焙じてもおいしいですよ)

お茶ってカラダにいいの???
 はい、お茶に含まれている成分はカラダにいいものが沢山含まれています!!!

◎口臭予防に・・・
 食後のお茶は口の中の食物が洗い流され、カテキン・サポニン・ミネラルなどの抗菌作用で細菌の増加も防ぎます。フラボノイドは口臭を押さえる作用もあるので、お茶でうがいをするとよりいっそう効果的!!!
◎虫歯予防に・・・
 お茶に含まれているフッ素は、歯を強くし虫歯への抵抗力をつける働きもあります。また、カテキン類(タンニン)の殺菌作用も虫歯を防ぎます。特になかなかうがいのできない小さなお子様には食後にお茶を飲ませてあげるというのも良いでしょう。
 食事やおやつの後には、ぜひお茶を飲む習慣を!!!(ただしウーロン茶など、種類によってはカフェインの強いものもありますから気を付けてあげてください)
◎胃腸の働きを活発にして元気に!!!
 お茶に含まれているタンニンは胃腸の働きを活発にし、便秘の解消にも効果的です。ストレスに弱い胃腸をまろやかなお茶で癒してあげましょう。
◎食中毒の予防にも・・・
 お茶に含まれているカテキンの殺菌作用は食中毒の原因となる腸炎ビブリオ菌撃退に効果を上げます。お寿司と日本茶という絶妙な組み合わせには食中毒予防の効果もあるのです。
◎ストレスへの抵抗力をつけて元気に!!!
 お茶に多く含まれているビタミンCはウイルス感染への抵抗力を高め、風邪や病気にかかりにくい体質を作ってくれます。体の免疫機能が向上するとストレスや疲れを感じることも少なくなり、元気に暮らせます。
◎細胞のガン化予防に・・・
 お茶に含まれているカテキンや、ビタミンCには、発ガン物質の作用を抑制する働きもあるといわれています。統計的にも、お茶を多く飲んでいる地方ではガン発生率が低いそうです。
◎体のPH、コンディションを整えて元気に!!!
 人間のカラダは弱アルカリ性が健康的!!!でも不規則な食生活や疲労などで、身体が酸性に傾くと体調を崩してしまいます。お茶に含まれているミネラルなどの微量要素は、身体の酸性化を防ぎ、体調のバランスを整えてくれます。

急須で入れたお茶とペットボトル茶の効能の違い
『急須で入れたせん茶の旨みは、ペットボトル入りの緑茶飲料のの4倍以上』
こんな調査結果を、静岡県環境衛生科学研究所が発表しました。
調査は、市販されている小型(350ml,500ml)ペットボトル入り緑茶飲料(ペット緑茶)17種と急須で入れた緑茶(せん茶浸出液)を比較して行われました。

◎旨み成分・テアニン(アミノ酸)・・・せん茶浸出液がペット緑茶(平均)の4.1倍
◎渋み成分・タンニン(カテキン類)・・・せん茶浸出液がペット緑茶(平均)の5.5倍
◎苦み成分・カフェイン・・・せん茶浸出液がペット緑茶(平均)の2.5倍
◎ビタミンC(合成)・・・ペット緑茶のほうが、せん茶浸出液の2.7倍と逆転。
これはペット緑茶に茶葉由来のもの以外に食品添加物(酸化防止剤ビタミンC)が加えられているためでした。
                                        (2002年6月13日付の中日新聞の掲載による)

お茶の故事・ことわざ紹介

パンフレット紹介”お茶の豆知識”
シリーズ@
◎茶寿
 長寿を表わす言葉で、77歳「喜寿」・88歳「米寿」・99歳「白寿」と言いますが、「茶寿」と言うのは108歳のことです。「茶」という字を分解すると草冠の部分が二十(十十)に下の部分が八十八になるところから20と88を足すと108になるからだそうです。

◎茶殻も肥やし
 茶殻は植木などの肥料としても使えます。それに例えて、人が捨てるようなものでも必ずどこかに取り柄はあるものだという意味です。

シリーズA
◎大福茶
 お正月に、煎茶に梅干・結び昆布を入れて家族そろっていただく縁起茶のことで、天皇家でも「皇服茶」と呼んでお正月三日間は欠くことのできないものだそうです。大福茶の由来は、村上天皇(平安時代)の時代に都に疫病が流行し、六波羅蜜寺の空也上人が大ぶりの茶碗に小梅干・結び昆布を入れたお茶をふるまったところ疫病が落ち着き、さらに村上天皇が正月元旦に、同じお茶を服して人々の無病息災を祈ったそうで、王(天皇家)が服す茶で「王服茶」これが「大福茶」になったと言われています。
シリーズB
◎茶の花香より気の花香
 「茶の花香」とは煎じたてのかぐわしいお茶の香りのことです。「気の花香」とはお客様のおもてなしは、香り高いお茶を出すこともにもまして、心から喜んでお客様を歓迎する奥ゆかしい心映えのほうが大切という意味です。

◎鬢糸茶烟(びんしさえん)
 年老いて、静寂な暮らしをしながら、華やかだった昔を思いしのぶ様子をいいます。鬢糸は老人の白髪のことで、茶烟はお茶を淹れるお湯を沸かす時の煙のことです。若かりし日々を派手に過ごした人が、老年になって静寂な生活を楽しんで余生を送ることをいいます。
シリーズC

◎茶摘み
 「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が繁る あれに見えるは茶摘みじゃないか あかねだすきにすげの笠」 なだらかな丘や山あいに、こんもりと鮮やかな緑のうねが続く茶畑。初夏になると茶摘みが始まります。お茶にも四季がありますが、新茶のおいしさは格別です。
シリーズD
◎朝茶は福が増す ◎朝茶はその日の難のがれ ◎朝茶は三里(七里)帰っても飲め ◎朝茶に別れるな
 朝茶はカラダに良いからと、すすめていることわざが沢山あります。朝、一杯のお茶を飲んで元気に過ごしましょう。
シリーズE
◎大福茶
 昨年末(シリーズA)にご紹介した大福茶(お正月の三が日に煎茶に梅干・結び昆布を入れ、家族そろって一年の健康を願っていただく縁起茶)は全国各地によって多少内容にずれがあるようです。例えば、山口県のある地域ではお茶に入れるのは、梅干とお砂糖だったり、長崎県のある地域ではお茶に入れず、大根・梅干・干し柿・昆布をお茶受けにする・・・などそれぞれの特徴がありますが全国どこでも新年の最初の一杯に縁起をかつぐ心は共通ですね。 皆様の地域ではいかがですか?
シリーズF
◎茶柱が立つ
 湯飲みの中に、茶葉の茎が立っている状態。柱は家を支えるもの、頼りになるものの象徴で、それを人に話さないで黙っていると、吉事の前ぶれと言い伝えられていて、ちょっと嬉しい縁起担ぎです。が、茶柱が立つには色々な条件が重なってくるので、なかなか茶柱が立つことがなく、貴重なことからこのことわざが生まれたそうです。

シリーズG
◎八十八夜とは・・・
 八十八夜とは、立春(2月3日)から数えて88日目のことを言います。2007年は5月2日が八十八夜になりますが、昔からこの頃に摘んだお茶を飲むと一年間無病息災に暮らせるといわれてきました。実際にこの頃の新茶は特に味が良く、栄養価の高いおいしいお茶に仕上がります。
シリーズH
◎お茶の子さいさい
 ものごとを簡単に片付ける時に使う言葉です。江戸時代中頃までの庶民の食事は10時頃(朝食?昼食?)に食べ、夕食は日暮れ頃に食べます。このニ食時代、早朝に口にするお茶と簡単な食べものが「茶の子」です。この「茶の子」を、食事代わりとして簡単に食していた事から「簡単に済ませる」と言う意味で使われるようになりました。「さいさい」は、はやし言葉のようです。ちなみに、この時お茶を飲んでいたお茶碗でついでにご飯ををよそって食べたところから、お茶碗でご飯を食べるようになったと言われています。
シリーズI
◎茶粥
 奈良県・山口県では江戸時代の初期ごろから食べられてきたお粥です。
作り方:@お茶(番茶・ほうじ茶・煎茶などはオススメ)を濃い目に沸かす。Aお米とたっぷりめのお茶を入れ、強火で炊く。B「もう少し」と言うやわらかさで火を止め、フタをして蒸らして出来上がり。お好みで、塩や梅干を入れるのもオススメ!二日酔いの朝、胃が疲れているときにもオススメです。

シリーズJ
◎おいしい新茶の飲み方
 新茶の特徴は、若葉らしい「すがすがしくさわやかな香り」にあり、この特徴をうまく引き出してさわやかな渋みのお茶にするには、80℃くらいのお湯を使い、甘みを多く引き出すには60℃くらいのお湯を使ってじっくりと抽出すると新茶ならではの旨味がしっかりと味わえます。ポイントは茶葉を多めに使うコト!より深い味わいが愉しめます。
その他・・・

◎茶腹も一時
 お茶を一杯飲んだだけでも、しばらくは空腹を紛らわすことができることから、わずかなものでも一時的に助けになる(急場を凌げる)という意味です。
◎茶碗を投げば、綿で抱えよ
 相手が怒って茶碗を投げつけてきたら、割れないように綿で受け止めなさい。という意味で、相手が強く出てきたときに、こっちはやわらかく受け止めたほうが、かえって相手の上に立てるという例えです。
◎ヘソで茶を沸かす
 おかしくてたまらないという意味。お腹の皮がよじれるほど、まるでお湯が沸騰するみたいに大笑いする様子を表したことわざです。
◎お茶を濁す
 茶の湯の作法を良く知らない人が、いい加減にごまかしてその場をつくろうことから生まれた言葉で、表面だけ取りつくろってその場しのぎの処置をすることを意味した言葉です。

◎お茶目

 子供っぽく愛嬌のあるいたずらや滑稽じみたいたずらをすること。又それをする人を「お茶目さん」「茶目っ気のある人」とか言います。
◎茶番(茶番劇)
 ばからしい、底の見えすいたふるまいのことを指す言葉です。その他に、お客様のためにお茶を出す人のことでもあり、手近な物などを用いて行う滑稽な寸劇や話芸のことも「茶番」と呼びます。元は滑稽な寸劇などの座興だった「茶番狂言」を略してできた言葉です。
◎一杯茶飲めば坊主にあう
 一膳飯、一杯汁、一杯茶はお葬式で亡くなった方にお供えしたり、参列者にささげるもので縁起がよくないと言われ、一杯しかお茶を飲まないと不幸がおきてお坊さんにあうようなことになるという意味です。
◎宵越しの茶は飲むな
 一夜おいたお茶は毒だから飲まないようにという意味です。時間をおいたお茶は香りもなく、消化を悪くする渋い味の成分が溶け出し、カラダにもおいしいものではありません。(「もっとおいしく飲むために」(上記)の項目にも紹介しています)
◎よい茶の飲みおき
 おいしいお茶を飲んだあとに、いつまでもそのいい香りが口の中に残っていることを指しています。
◎鬼も十八、番茶も出花
 恐ろしい鬼女でさえも十八くらいのときには奥ゆかしく見えると言う意味です。「番茶」は、大きく硬化した茶葉からできたお茶で、一級品ではないのですが、それでも淹れたてはおいしいところから、醜い女性でも、年頃の十八歳ともなれば、娘らしいなまめかさが出てくるという意味です。誰でも一生に一度は美しい時期があるものの例えでもあります。「鬼も十七、山茶(やまちゃ)も煮端(にばな)」という言い方もあります。
◎祖母育ちで甘茶々な
 おばあちゃんに溺愛され、甘やかされて育った子供は、他の子供に比べるとしっかりしていないという意味です。おばあちゃん子でわがままなタイプを悪く言うときに使われます。親自身が子供に甘いのは「親の甘茶が毒となる」と言います。
◎茶々を入れる
 人の話に横から冷やかしや冗談などを入れ邪魔をしたり、話に水をさす、まぜっかえすといった意味です。茶々は妨げ・邪魔の意味です。妨害・無分別というよりもなんだかユーモラスな感じのときに使います。
◎茶化す
 人の話をまじめに聞かないで冷やかしたり、馬鹿にしたり、はぐらかしたりして、冗談にしてしまう事などを意味します。「お茶にする(休憩する)」という意味が転じてこのような意味になったそうです。
◎お茶にする
 一休みする、休憩するという意味です。が、はぐらかして真面目に受け答えをしないことの意味で「茶化す」「お茶らかす」とも言って、使われます。
◎茶飲み話

 お茶を飲みながら話す世間話やその場限りの雑談のことを指しています。昔から、人が集まって気軽に話を楽しむ時に、お茶を飲むことが深く関わってきたことから生まれた言葉です。
◎お茶を挽く ◎あがり

 昔、花柳界では、お客様がつかない芸者さんを遊ばせていてはもったいないので、お茶の葉を茶臼で挽かせて(当時、お茶の葉は自家の茶臼で挽いていました)いました(「お茶ぴき」ととも呼んでいたようです)。それが転じて商売が暇なことを「お茶を挽く」と言うようになったそうです。さらにこのことから「お茶」という言葉が商売屋にとって縁起が良くないので使わなくなり、お呼びのかかった芸者は「おあがりさん」と言ってお座敷にあがることができ、この頃からお茶のことを「あがり」と言うようになったそうです。この言葉は現在でもお寿司屋さんなどで使われています。(ちなみに、今来たばかりのお客様に出すお茶は「おでばな」帰りのお客様に出すお茶は「あがり」というのが正しいそうです)
◎茶は水が詮

 詮は肝心な物という意味で、おいしいお茶を淹れるには、水を選ぶことが大切という意味です。
◎茶に酔ったふり
 酔う筈のないお茶を飲んで酔ったふりをするという意味で、いつわって知らんふりをする様子を指します。
◎茶屋の餅も強いねば食えぬ
 お茶屋さんでお金を出して買った餅でも、「さあどうぞ」と、勧められないと食べにくいものだ、と言う意味で、商売のコツは勧め方にあるという例えのひとつです。
◎猫も茶を飲む
 風流がわからない猫がお茶を飲むということで、分をわきまえず、生意気なことしたり、できてもいないのに人まねをすることを意味します。
◎日常茶飯事
 お茶を飲んだりご飯を食べたりするのは毎日のことですから、日々のありふれた様子とか、そういう物事を意味してます。お茶が食事と同じく、日常的な当たり前のことであると言う意味もあったようです。
◎無茶
 本来の茶道の道を無(無駄)にするということから、筋道がたたないこと、道理に合わないことを指します。乱暴に扱ったり、乱雑にしたりすることや、駄目にしたり無視したり、かえりみないことや、度を外れているという意味もあります。「無茶苦茶」「滅茶」「滅茶苦茶」なども同じ意味あいの言葉です。
◎着物は長持から茶は缶子から ◎酒は酒屋に、茶は茶屋に
 長持ちは衣装入れ、缶子はお茶入れの道具のこと。ものごとにはそれぞれ専門があるという意味です。同じような意味で、「酒は酒屋に茶は茶屋に」という言葉もあります。
◎お茶を飲むと色が黒くなる ◎お茶を飲むと早く年をとる ◎お茶を飲むと目が悪くなる
 いずれも貴重だったお茶をたくさん飲ませないように悪く言った言葉だそうです。
◎濃茶は目の毒、気の薬
 濃い茶を飲むと目が冴えて眠れなくなるが、気持ちははっきりすっきりするという意味です。
◎茶断ち
 神仏などに願掛けけするとき、ある一定期間または一生茶を飲まないと誓って祈願を成就させたいと願うことです。

◎京の去(い)にしな、茶漬挨拶
 京都では、来客にお帰りの時間を知らせる(そろそろ帰って欲しい)とき『お茶漬でもいかがですか?』とすすめることを言ったことわざ。
◎茶の木の下を頬かむり(かぶり)して通るよう・・・
 煎茶の味が薄いこと。又は、何煎もいれて香りや味のなくなってきたお茶のことだそうです。
◎茶漬にひがいの望み
 ひがいとはカタクチイワシの呼び名で、お茶漬にせめて鰯を添えて食べたいというささやかな望みを表す言葉です。
◎結納にお茶
 お茶の木は「結婚の木」とも言って結納にお茶が欠かせないところもあります。結納セットの豪華な水引細工の中央に俵のように茶缶が積んであったり、金色に輝く茶壺が置かれたりと、地域によって多少の違いはありますが結納品の中心がお茶になっている地域もあります。茶の木は植え替えがしにくく、土の中に深く伸び、石にぶつかればひげ根を出す、また石にぶつかるとひげ根を出して、根と根がくっつきひとつになって、育っていくので、嫁ぎ先にしっかり根づくようにという意味もあるのかも知れません。中国でも、結婚のときお茶を贈る茶礼という慶事が行われてきたそうです。しかしお茶を濁すと言う言葉もあって、結婚式のときや、結納、又そのご披露の時には、縁起の良い桜茶などをお出ししたり、お土産にすることも多いようです。

お茶とお茶受け
 お茶にお茶受けはつきものですが、お煎餅やお漬物などのようなからいものでも、羊羹やお饅頭のような甘いものでも良いのですが、和菓子などの甘いお菓子のほうが人気が高いようです。
 和菓子がお茶受けに用いられるようになったのは、戦国時代も終わりのころと言われています。(かの有名な千利休さんも初めのころは"茶の子"といって栗・柿・かやなどの実がお茶受けだったそうです)当時、お砂糖はとても貴重で高価な輸入品で、ポルトガルから買っていました。
それは日本だけではなく、ポルトガルから世界中へとお砂糖が広まり、お菓子の基準が辛さから甘さへと変化し、日本ではお茶受けも甘い菓子に変わり、和菓子が発展します。
でも例えばイギリスなどのヨーロッパではお砂糖が伝わると紅茶にお砂糖を入れて飲むようになりました。日本では和菓子が発展しました。
同じような経路で伝わったお砂糖もお茶に関しては違った用途になったようですね。
 ところでお茶受けはお茶の味を引き立てるためだけではなく、お茶には茶カテキンやカフェインなど空腹時に飲むと胃を刺激する成分が含まれていますから、お茶受けを先に食べることで刺激をやわらげてくれます。
コーヒーなどでも空腹時には、ミルクやお砂糖を入れたほうがいいといわれるのと同じですね。
 お茶受けは胃をいたわるために昔の方たちがが生んだ知恵なんですね。